認知症の家族が行方不明になったら?最初に警察へ伝える情報と相談先の整理
2026/08/25
認知症のある、または認知症が疑われる家族の行方が分からないときは、家族だけで様子を見るより先に、最寄りの警察署または交番へ連絡し、認知症またはその疑いがあることを伝えてください。
生命や身体への危険、事故や犯罪被害のおそれがある場合は110番を優先します。
警察庁の認知症に係る行方不明者発見活動の案内は、届出時に認知症またはその疑いが伝えられた場合、警察が状況を踏まえて迅速な発見活動を行うよう示しています。
東京都の案内も、警察への届出と、区市町村または地域包括支援センターへの相談を案内しています。
この記事では、警察へ伝える情報を一枚に整理する方法、届出後に確認する地域の支援経路、写真や個人情報を広く共有する前の注意点を説明します。
これは医療上・法律上・捜索上の個別判断に代わるものではありません。
緊急時は、その場で案内された窓口や警察の指示を優先してください。
最初に優先するのは警察への連絡と状況の記録
行方が分からない時間が続くほど、家族は「もう少し自分たちで探してから」と考えがちです。
しかし、認知症またはその疑いがある場合は、本人が自分の氏名や居場所を十分に伝えられないこともあります。
まず警察に事情を伝え、同じ内容を家族内で共有できるよう記録を始めます。
認知症またはその疑いを必ず伝える
警察庁の案内では、行方不明者届の受理時に認知症またはその疑いによる行方不明であると申し出があった場合、警察が事件や事故に遭う可能性も踏まえて判定し、規則に基づく発見活動を迅速に行うよう示されています。
そのため、連絡するときは「普段と違う外出のまま戻らない」だけで終わらせず、認知症の診断があるか、疑いがあるか、名前や住所を自分で伝えられる状態かなど、分かる範囲をそのまま伝えます。
これは家族が状況を決めつけるためではなく、関係機関が必要な確認を始められるようにするための情報です。
判断に迷うときも、伝えずに様子を見るのではなく、警察へ相談して案内を受けてください。
警察に伝える情報を一枚にまとめる
連絡前または連絡しながら、家族が分かる事実を一枚にまとめます。
地方自治体の案内でも、写真、本人の特徴、服装、いなくなったときの状況、以前よく行った場所などを整理して伝えるよう案内されています。
警察・地域窓口へ伝える初動メモ:最新の写真、最後の確認、本人の特徴、認知症またはその疑い、連絡記録を同じ一枚に記します。
メモには、次の項目を入れます。
- 最新の写真と、本人が普段名乗る氏名・呼ばれ方
- 最後に確認した日時、場所、誰が何を確認したか
- そのときの服装、持ち物、移動手段など、分かっている特徴
- よく行く場所、以前に立ち寄ったことのある地域、本人が説明しやすい手がかり
- 認知症またはその疑い、名前や住所を伝えられるかなど、届出時に役立つ状態の情報
- すでに連絡した窓口、連絡した時刻、受けた案内
分からないことを推測で埋めないことも大切です。
「不明」「確認中」と書き、後で判明した事実だけを追記します。
届け出後は地域の支援窓口につなげる
警察への届出は最初の連絡先ですが、それだけで家族の相談先が終わるわけではありません。
居住地の区市町村や地域包括支援センターには、認知症のある人の見守りや情報共有に関する取組がある場合があります。
届出後に、警察から案内された範囲で相談先を確認します。
区市町村や地域包括支援センターへ相談する
東京都は、認知症高齢者等が行方不明となった場合、必ず警察へ届け出たうえで、本人が住む区市町村や地域包括支援センターへ申し出るよう案内しています。
申出を受けた区市町村や地域包括支援センターから、都内の他の区市町村などへ情報提供できる取組があります。
東京都以外でも、厚生労働省の案内から、身元不明で保護されている認知症高齢者等に関する自治体の情報公開ページを確認できる場合があります。
利用できる制度や連絡順は地域で異なるため、一般名だけを頼りにせず、警察または居住地の自治体・地域包括支援センターへ確認してください。
家族内では、警察へ伝えたメモをそのまま使い、窓口ごとに内容が食い違わないようにします。
必要に応じて追加で求められた内容だけを更新し、誰がいつどこへ連絡したかを残します。
情報の公表や共有を自己判断で始めない
警察庁の案内は、本人が氏名を名乗れない可能性や遠方への移動が想定される場合、届出人の意思に基づくインターネット利用による資料公表を警察が検討することに触れています。
これは、家族が写真、氏名、居場所に関する情報を自分だけで広く投稿してよいという意味ではありません。
情報を出す前に、警察や地域の窓口へ、何を、どの範囲で、どのように共有するのかを確認してください。
情報を公表する前の確認チェックリストとして、次の点を確認します。
- 警察や地域の窓口と、共有する内容と範囲を確認したか
- 最新の写真と確認済みの事実だけを使い、推測を混ぜていないか
- 見つかった後に共有を止める方法と、連絡先を決めているか
特に、写真や個人情報を扱うときは、古い情報や推測を混ぜないこと、発見・保護の連絡が入った後に共有を続けないことが大切です。
関係機関から案内があった場合は、その内容と連絡方法をメモに残します。
家族で使う初動メモと検索を止める目安
家族が別々に連絡や確認を始めると、同じ情報を繰り返したり、未確認の話が事実のように伝わったりします。
一枚の初動メモを基準にすると、警察や地域の窓口へ伝えたこと、まだ分からないこと、次に誰が連絡するかを分けて管理できます。
事実と不明点を分けて記録する
次の形で、確認できた事実と未確認のことを分けます。
家族で共有する初動メモ
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 最後の確認 | 日時、場所、確認した人、見聞きした事実 |
| 本人の特徴 | 最新の写真、服装、持ち物、氏名・呼ばれ方 |
| 届出時に伝えたこと | 認知症またはその疑い、本人の状態、よく行く場所など |
| 未確認のこと | 推測ではなく「確認中」として残す事項 |
| 連絡記録 | 警察・自治体・地域包括支援センターなどの連絡先、時刻、案内 |
| 更新 | 新しく確認できた事実、連絡先からの指示、次の連絡予定 |
このメモは、誰かの行動を疑ったり、手がかりを独自に追跡したりするためのものではありません。
関係機関が確認を進めるために、家族が今持っている情報を正確にそろえるためのものです。
認知症またはその疑いがない成人の家出・連絡不能について一般的な準備を確認したい場合は、成人した子どもが家出した時の探し方も別途参考になります。
この状況では、まず認知症またはその疑いを警察へ伝えることを優先してください。
自力での確認を一旦止める判断
次のようなときは、家族だけで確認を続けたり、追加の情報を広く共有したりする前に、警察や地域の窓口からの案内へ戻ります。
自力での確認を止めるチェックリスト
- 生命や身体への危険、事故、犯罪被害のおそれがある
- 家族ごとに伝えている内容が食い違い、何が事実か整理できなくなっている
- 写真や氏名を公開すべきか迷っている
- 見つかった、または保護された可能性を知らせる連絡が入った
- 医療、介護、本人の意思、法的な手続など、個別の専門判断が必要になった
緊急の危険がある場合は110番を優先します。
届出後の連絡や情報共有は、受けた案内に沿って進めることで、家族が抱え込む範囲を減らせます。
まとめ:連絡先を増やす前に優先順位をそろえる
認知症のある、または認知症が疑われる家族の行方が分からないときは、まず警察へ連絡し、認知症またはその疑いと、最後に確認できた状況を伝えます。
その後、居住地の区市町村または地域包括支援センターに相談し、使える支援や情報共有の扱いを確認します。
情報を多く集めることよりも、事実と不明点を分け、関係機関へ同じ内容を正確に伝えることが最初の助けになります。
連絡順を確認する表
緊急性と届出後の段階に応じて、次の順序を確認します。
連絡順を確認する表
| 状況 | 最初にすること | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 行方が分からず、認知症またはその疑いがある | 警察へ連絡し、必要な届出と案内を確認する | 写真、特徴、服装、最後の状況を一枚のメモにする |
| 緊急の危険、事故、犯罪被害のおそれがある | 110番を優先する | 警察からの指示に従い、家族内で連絡記録を共有する |
| 届出後に地域の支援を確認したい | 区市町村または地域包括支援センターへ相談する | 利用できる制度、情報共有の範囲、次の連絡先を確認する |
| 写真や個人情報を共有したい | 自己判断で広く出さず、警察や地域窓口へ確認する | 共有する内容、範囲、見つかった後の扱いを確認する |
表に当てはまらないことは、警察や地域の窓口へそのまま確認します。
見つかった後にすること
本人が見つかった、または保護されたと分かったときは、先に連絡した警察、自治体、地域包括支援センターなどへ速やかに知らせます。
情報共有や捜索協力をお願いしていた場合も、解除や更新が必要かを確認します。
連絡先ごとに、すでに伝えた内容も記録しておくと、次の相談につながりやすくなります。
見つかった後の医療、介護、生活上の支援については、本人と家族の状況に合う窓口の案内を受けてください。
記事や検索結果だけで判断を続けず、現在の安全を確認した関係機関と次の対応をそろえることが大切です。
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