個人間送金で起きた恋愛トラブルの対処方法とは?返金を求める条件とお金を取り戻すまでの流れを解説

2026/07/07

個人間送金で起きた恋愛トラブルの対処方法とは?返金を求める条件とお金を取り戻すまでの流れを解説

恋人に送ったお金が返ってこない場合、まず確認したいのは、返済の約束と送金の記録です。

銀行振込や送金アプリの履歴があっても、プレゼントではなく貸したお金だったことを示せなければ、返金請求が難しくなることがあります。

LINEやメールに「返す」「一時的に借りたい」といったやり取りが残っていれば、貸し借りを説明する証拠として使える可能性があります。

一方、病気や結婚、投資など、事実と異なる話を信じて送金した場合は、詐欺も疑う必要があります。

この記事では、個人間送金による恋愛トラブルで返金を求められる条件、集めておきたい証拠、相手への請求方法、相談先を順に解説します。

送金時のやり取りを振り返りながら、今取るべき対応を確認してください。

恋人に送ったお金が返ってこない時どうする?

最初に確認したい3つのポイント

焦って連絡を重ねる前に、送金の経緯、相手との約束、現在残っている記録を整理しましょう。

まず確認したいのは、渡した金額と日時、銀行振込や送金アプリなどの方法、返済期限の3点です。

次に、相手が「返す」「一時的に借りたい」などと伝えていたか、LINEやメールのやり取りを見直します。

送金時の約束が口頭だけでも貸し借りが成立する場合はありますが、返金を求めるには、金銭を渡した事実と返済の合意を示す必要があります。

メッセージの削除やアカウントの変更に備え、画面全体がわかるスクリーンショットや利用履歴を保存しておくことも大切です。

感情的なやり取りは避け、事実を時系列で整理してから返金を求めると、その後の交渉や専門家への相談を進めやすくなります。

貸したお金として返金を求められる条件

返済を前提として渡したことが確認できれば、恋愛関係にある相手でも返金を求められる可能性があります。

金銭の貸し借りは、借用書を作っていなくても、当事者の合意とお金の受け渡しによって成立する場合があります。

「給料日に返す」「来月から分割で支払う」といったメッセージや、相手が借金を認める発言は、返済の約束を示す重要な材料です。

銀行振込の明細だけでは、送金した事実は示せても、貸したお金なのか、プレゼントなのかまでは明確にならないことがあります。

送金の目的、返済額、返済期限に関するやり取りを組み合わせ、貸し借りだったことを説明できる状態にしておきましょう。

相手が約束を否定している場合や金額が高額な場合は、自分だけで判断せず、保存した証拠を持って弁護士などへ相談することが重要です。

プレゼントと判断される条件

返済を求めない意思で渡したお金は、後から関係が悪化しても返してもらえない可能性があります。

贈与は、一方がお金や財産を無償で渡す意思を示し、相手が受け入れることで成立します。

誕生日のお祝い、旅行代、生活費の援助などは、当時のやり取りによってプレゼントと判断される場合があります。

「返さなくてよい」「自由に使って」「お祝いとして渡す」と伝えていた記録があれば、貸したお金として請求するのは難しくなります。

一方で、「今は立て替える」「余裕ができたら返して」と伝えていれば、恋人への送金であっても貸し借りだったと説明できる余地があります。

恋愛関係にあったことだけで決まるものではないため、渡した目的や前後のメッセージを確認し、当時の約束を客観的に整理する必要があります。

恋人に送ったお金を取り戻せる条件

返済の約束がある

お金を渡す際に返してもらう約束があれば、貸した金銭として請求できる可能性があります。

借用書を作成していなくても、「来月返す」「給料が入ったら支払う」などの合意が確認できれば、貸し借りを示す材料になります。

LINEやメールに相手が返済を認める内容が残っている場合は、日時やアカウント名が見える状態で保存してください。

口頭で約束した場合は、その後のメッセージで金額や支払日を確認し、相手から返答を得ておくと記録を残せます。

相手が一部だけ返済している場合も、借りた事実を認めていたと判断する材料になることがあります。

ただし、送金記録だけではプレゼントとの区別がつかない場合があるため、返済の合意を示すやり取りとあわせて整理することが大切です。

貸した目的が明確になっている

何のために渡したお金なのかがわかれば、プレゼントではなく貸付だったことを説明しやすくなります。

家賃、治療費、生活費、事業資金など、相手から頼まれた理由と送金額を時系列でまとめてください。

「一時的に立て替えてほしい」「不足分を貸してほしい」といったメッセージは、送金の目的を示す記録になります。

銀行振込や送金アプリの履歴だけでなく、送金を求められた前後の会話も削除せずに保管しましょう。

複数回に分けて渡している場合は、それぞれの日付、金額、理由、返済の約束を一覧にすると状況が伝わりやすくなります。

使い道について説明が変わっている場合は、詐欺の可能性を検討する材料にもなるため、矛盾した発言も記録しておく必要があります。

詐欺の可能性がある

相手が初めからお金をだまし取る目的でうその説明をしていた場合は、単なる貸し借りではなく詐欺にあたる可能性があります。

民法では、詐欺によって行った意思表示を取り消せると定められており、取り消し後は原状回復として返金を求められる場合があります。

ただし、交際が終わったことや約束どおり返済されないことだけで、直ちに詐欺と判断されるわけではありません。

送金前から説明が虚偽だったことや、相手に返済する意思がなかったことを示す記録が重要です。

被害が疑われる場合は追加送金を止め、メッセージ、振込明細、相手のプロフィール、連絡先を保存してください。

自分だけで詐欺かどうかを決めつけず、証拠を整理したうえで警察や弁護士へ相談することが適切です。

うその理由で送金を求められた

病気、事故、家族の事情など、事実ではない理由を告げられて送金した場合は、詐欺が疑われます。

重要なのは、相手の説明が単なる勘違いではなく、送金させるために意図的につかれたうそだったかどうかです。

例えば、入院していないのに治療費を求められた、存在しない借金の返済を理由に振込を頼まれたといったケースが考えられます。

相手の説明が変わった部分や、証明を求めた際に話をそらした記録も削除せずに残してください。

本人を問い詰めすぎると連絡先やアカウントを消されるおそれがあるため、証拠の保存を優先しましょう。

虚偽の内容と送金の関係を示せれば、被害の経緯を警察や専門家へ説明しやすくなります。

結婚する意思を装われた

結婚を約束して信頼させ、金銭を受け取った後に連絡を絶たれた場合は、恋愛感情を利用した詐欺の可能性があります。

ただし、結婚に至らなかったという事実だけでは、相手が初めからだますつもりだったとは判断できません。

複数人に同じ話をしていた、氏名や勤務先が虚偽だった、送金直後に連絡が取れなくなったなどの事情が判断材料になります。

警察庁は、SNSなどでやり取りを重ねて恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭をだまし取る手口をSNS型ロマンス詐欺として注意喚起しています。

マッチングアプリのプロフィール、写真、電話番号、送金先の口座情報、結婚に関するメッセージをまとめて保存してください。

相手の言葉と実際の身元に不自然な点が多い場合は、追加の連絡や送金を控え、早めに相談することが大切です。

投資への送金を勧められた

交際相手から投資を勧められ、指定された口座やアプリへ入金した場合は、投資詐欺を疑う必要があります。

警察庁は、SNSなどの非対面のやり取りを通じて投資を勧め、投資名目で金銭をだまし取る手口について注意を呼びかけています。

画面上で利益が増えていても、出金時に税金や保証金などの追加費用を求められるケースがあります。

個人名義の銀行口座へ振り込むよう指定されたり、短期間で必ず利益が出ると説明されたりした場合は注意が必要です。

追加送金には応じず、利用したサイトのURL、アプリ名、取引画面、相手とのメッセージ、振込記録を保存してください。

相手が恋人を名乗っていても、投資の仕組みや事業者の実態を確認できない場合は、速やかに金融機関や警察へ相談しましょう。

返金請求に必要な証拠

送金した事実がわかる記録

返金を求める際は、いつ、誰に、いくら渡したのかを客観的に示せる資料が必要です。

借用書がなくても貸し借りは成立しますが、相手が送金や返済の約束を否定した場合は、複数の記録を組み合わせて経緯を説明しなければなりません。

銀行や送金アプリの履歴だけでなく、送金を依頼されたメッセージや送金後の返答もあわせて保存してください。

複数回に分けて渡した場合は、日付、金額、送金方法、目的を一覧にすると、専門家や裁判所にも状況を伝えやすくなります。

銀行の振込明細

振込明細や通帳の記録は、指定した口座へお金を送った事実を示す基本的な資料です。

振込日、金額、受取人名、金融機関名、支店名などが確認できる状態で保管しましょう。

インターネットバンキングを利用した場合は、画面のスクリーンショットだけでなく、取引明細をPDFなどで保存しておくと安心です。

ただし、振込記録だけでは、貸したお金なのか、プレゼントとして渡したのかまで証明できないことがあります。

送金前後のLINEやメールと照らし合わせ、何のための振込だったのかがわかるように整理してください。

送金アプリの利用履歴

個人間送金サービスの履歴も、相手のアカウントへ残高を送った記録として活用できます。

利用日時、金額、相手の表示名やアカウント情報、取引番号が見える画面を保存しましょう。

表示名は後から変更される可能性があるため、相手のプロフィール画面や登録している電話番号なども確認できる範囲で残してください。

アプリ内の履歴には保存期間が設けられている場合があるため、トラブルが起きた時点で早めに記録しておくことが大切です。

送金に添えたメッセージや、相手から届いた受け取り確認も保存すると、取引の目的を説明しやすくなります。

返済の約束がわかる記録

お金を渡した記録に加え、相手が返すことを認めている資料があると、貸し借りだったことを主張しやすくなります。

特に、借りた金額、返済期限、分割払いの予定などが具体的に書かれているやり取りは重要です。

一つのメッセージだけを切り取らず、送金を頼まれた時点から返済を求めるまでの流れがわかる形で保存してください。

相手の氏名やアカウントが確認できるようにしておくと、誰とのやり取りなのかも説明しやすくなります。

LINEのメッセージ

LINEに「借りたお金を返す」「来月支払う」などの発言が残っていれば、返済の合意を示す材料になります。

スクリーンショットを撮る際は、相手の発言だけでなく、その前後の会話や送信日時も含めて保存しましょう。

トーク履歴を途中で削除された場合に備え、可能であれば履歴全体をバックアップしておくことも有効です。

スタンプや短い返事だけでは内容を判断しにくいため、金額や返済日を具体的に確認するメッセージを送り、相手から返答を得る方法もあります。

脅すような表現は避け、事実確認として落ち着いてやり取りを残してください。

メールの内容

メールは、送信者や受信者、日時、件名、本文をまとめて確認できるため、交渉の記録として利用できます。

返済を求めたメールだけでなく、相手が借り入れを認めた返信や、支払日を提案した内容も保存しましょう。

本文をコピーした文書だけではなく、送信元のメールアドレスや日時が見える状態で保管することが重要です。

添付ファイルや振込先の指定がある場合は、それらも削除せずに残してください。

複数のメールがある時は、古いものから並べ、送金までの流れと返済を求めた経緯がわかるように整理すると確認しやすくなります。

会話の録音

電話や対面で相手が借金を認めた場合は、その会話の録音が返済の約束を示す資料になることがあります。

録音では、誰が話しているのか、いくら借りたのか、いつ返すのかがわかる内容を残すことが大切です。

音声データは編集せず、元のファイルをそのまま保存し、録音した日時や場所もメモしておきましょう。

相手を誘導して無理に発言させたり、脅して返済を約束させたりすると、新たなトラブルにつながるおそれがあります。

録音方法や利用の可否に不安がある場合は、提出や公開をする前に弁護士へ相談してください。

相手を特定するための情報

返金請求や裁判手続きを進めるには、請求する相手が誰なのかを明確にする必要があります。

SNSやマッチングアプリ上の名前だけでは、本人の特定や書類の送付が難しい場合があります。

交際中に得た情報のうち、正当な方法で確認できた氏名、住所、連絡先、勤務先、口座情報を整理してください。

不正なアクセスや無断での端末確認は避け、すでに受け取っている資料や本人から伝えられた情報を保存することが基本です。

氏名

相手の本名は、内容証明郵便や裁判手続きで請求先を明確にするために必要となります。

漢字の表記や読み方が正しいか、振込先の口座名義、名刺、過去に受け取った郵便物などで確認しましょう。

マッチングアプリやSNSの表示名は、自由に変更できるため、本名とは限りません。

偽名を使っている疑いがある場合は、プロフィール画面や過去のメッセージを保存し、どのような名前を名乗っていたのか記録してください。

自分で身元を調べることが難しい場合は、違法な調査をせず、弁護士や適法な調査を行う探偵事務所への相談を検討しましょう。

住所

相手の住所は、返金を求める書面や裁判所からの書類を届けるために重要な情報です。

以前に教えられた住所がある場合は、現在も居住しているかを確認できる資料がないか見直してください。

交際中に届いた荷物の送り状、年賀状、賃貸契約に関する会話なども、住所を確認する手がかりになることがあります。

勝手に住民票を取得したり、他人になりすまして個人情報を聞き出したりする行為は避けなければなりません。

住所がわからないまま連絡が途絶えた場合は、手元の情報を持って弁護士へ相談し、適法な確認方法を検討してください。

口座情報

送金先の銀行名、支店名、口座番号、口座名義は、相手と送金先を結びつける重要な情報です。

振込明細や銀行アプリの履歴を確認し、画面から情報が消える前に保存しておきましょう。

口座名義が交際相手と異なる場合は、家族や第三者の口座を指定された可能性もあるため、当時の説明を記録してください。

詐欺が疑われるケースでは、同じ口座が複数の被害に使われている場合もあるため、金融機関や警察へ正確に伝える必要があります。

口座情報だけで相手の住所などを個人で照会することは難しいため、必要に応じて専門家へ対応を依頼しましょう。

恋人に返金を求める方法

LINEで返金を求める

最初の連絡では、感情的に責めるのではなく、送金額と返済期限を具体的に示すことが大切です。

「以前送った30万円について、〇月〇日までに返金してください」のように、対象となるお金がわかる文章を送りましょう。

相手から返信があった場合は、借りた事実や返済の意思を確認できる記録として保存してください。

一括での返済が難しいと言われた時は、支払える金額や時期を相手に回答してもらうと、その後の交渉につなげやすくなります。

脅迫と受け取られる表現や、家族や勤務先に知らせると迫る行為は、新たなトラブルを招くため避けなければなりません。

既読にならない場合や返事が途絶えた場合に備え、送信日時と相手のアカウントが確認できる状態で画面を保存しましょう。

書面で返金を求める

メッセージへの返信がない場合は、請求内容を整理した書面を相手の住所へ送る方法があります。

書面には、貸した日付、金額、返済の約束、振込先、支払期限をわかりやすく記載してください。

複数回送金している場合は、それぞれの日付と金額を記載し、請求額の内訳がわかるようにします。

支払期限は、相手が対応できる期間を考慮して設定し、期限までに連絡または入金を求める形にするとよいでしょう。

普通郵便では相手に届いたことを確認しにくいため、配達状況を確認できる方法で送ることも検討してください。

送付した書面の写しや郵便物の控えは、その後に支払督促や訴訟を検討する際の資料として保管しておきましょう。

内容証明郵便を送る

通常の連絡で返済に応じない相手には、内容証明郵便で正式に支払いを求める方法があります。

内容証明は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰へ差し出したのかを郵便局が証明するサービスです。

ただし、記載した貸し借りの事実が正しいことや、相手に返済義務があることまで郵便局が証明するものではありません。

文書には、請求額、送金日、返済期限、支払先の口座、期限までに対応がない場合の方針を簡潔に記載します。

配達証明を付けると、相手に文書が配達された事実も記録できるため、請求の経緯を残しやすくなります。

日本郵便の電子内容証明を利用すれば、作成した文書をインターネット上から24時間差し出すことも可能です。

法テラスも、貸したお金が返されない場合の対応として、内容証明郵便による催告や、その後の裁判所の手続きを案内しています。

分割払いに応じる時の注意点

相手から一括で支払えないと言われた時は、口約束のまま分割払いを認めないことが重要です。

合意した内容は書面にまとめ、借りている金額を相手が認めたうえで、返済方法を具体的に決めましょう。

書面には、残っている金額、毎月の返済額、支払日、振込先、完済予定日を記載します。

双方が署名し、それぞれが同じ内容の書面を保管すれば、後から約束の内容を確認しやすくなります。

毎月の返済額を決める

返済額は、相手が継続して支払える金額かを確認したうえで設定する必要があります。

早く回収したいからと無理な金額を指定すると、数回で支払いが止まり、再び交渉が必要になるおそれがあります。

一方で、返済額が極端に少ないと完済まで長い時間がかかるため、残額と返済期間のバランスを考えましょう。

例えば、残額が30万円で毎月3万円を支払う場合は、10回で完済する予定を返済表にまとめます。

振込手数料をどちらが負担するのかも事前に決め、入金額が不足する問題を防いでください。

途中で返済額を変更する場合は、電話だけで済ませず、変更後の金額と完済予定日を改めて書面に残しましょう。

支払日を決める

毎月の支払日は、「月末まで」と曖昧にせず、具体的な日付を決めてください。

給与日の直後など、相手が入金しやすい日を設定すると、支払いが続く可能性を高められます。

金融機関の休業日に重なった場合は、前営業日と翌営業日のどちらに支払うかも決めておくと安心です。

初回の支払日と最終回の支払日を明記し、いつ完済する予定なのかがわかる状態にしましょう。

入金を確認したら、支払日と金額を記録し、残額を更新しておくことも大切です。

現金で受け取る場合は、受領日と金額を記載した領収書を渡し、双方に記録が残るようにしてください。

遅れた場合の対応を決める

支払いが遅れた時の扱いを決めておかなければ、何度も返済の延期を認めることになりかねません。

入金が確認できない場合は、まず何日以内に連絡を求めるのかを書面に記載しましょう。

一定回数の支払いを怠った場合には、残額をまとめて請求するという条件を設ける方法もあります。

遅延損害金を定める場合は、法律上の上限や契約内容に注意が必要なため、金額が大きい時は弁護士へ確認してください。

相手が返済予定の変更を求めてきた場合も、理由と新しい支払日をメッセージや書面に残す必要があります。

支払いが繰り返し滞る場合は、交渉を続けるだけでなく、支払督促や訴訟などの手続きも検討しましょう。

恋人がお金を返さない時の対処法

支払督促を申し立てる

書面で請求しても支払いがない場合は、裁判所を通じて返済を求める手続きを検討できます。

支払督促は、申立人の提出した書類をもとに裁判所書記官が審査し、相手へ金銭の支払いを促す制度です。

通常の訴訟とは異なり、最初から法廷で双方の主張を聞く手続きではないため、比較的簡単に申し立てられます。

申立てには相手の氏名と住所が必要となるため、連絡先しかわからない場合は、そのままでは手続きを進めにくいことがあります。

相手が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てると、請求額に応じて通常訴訟へ移行します。

異議が出ない場合も自動的に差し押さえられるわけではなく、決められた期間内に仮執行宣言を申し立てる必要があります。

相手が借金を否定しているケースでは訴訟へ移る可能性も考え、送金記録や返済の約束を示す証拠を準備しておきましょう。

少額訴訟を起こす

請求する金額が60万円以下であれば、簡易裁判所の少額訴訟を利用できる場合があります。

少額訴訟は、原則として1回の審理で解決を目指すため、通常訴訟よりも短期間で判断を得やすい手続きです。

一度の期日で主張と証拠を確認することから、振込明細、LINE、メール、借用書などを事前に整理して提出しなければなりません。

証人を呼ぶ場合も、その日のうちに確認できる人に限られるため、後から証拠を追加する前提で申し立てるのは避けましょう。

相手が通常訴訟での審理を希望した場合や、裁判所が少額訴訟に適さないと判断した場合は、通常の訴訟へ移ることがあります。

請求が認められても、相手の生活状況などを踏まえ、分割払いや支払猶予を命じる判決が出る可能性があります。

早期解決を期待できる一方、証拠をまとめて一度に提出する準備が欠かせない手続きです。

通常訴訟を起こす

請求額が60万円を超える場合や、双方の主張を詳しく争う必要がある場合は、通常訴訟が選択肢になります。

請求額が140万円以下なら原則として簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所が第一審の窓口です。

訴状には、誰にいくら請求するのかだけでなく、お金を貸した経緯や返済期限、相手が支払わない状況を記載します。

相手がプレゼントだったと反論する可能性があるため、送金記録だけでなく、返済の合意を示すメッセージなども提出する必要があります。

訴訟では複数回の期日が開かれることもあり、解決までに時間や費用がかかる点を考慮しなければなりません。

途中で話し合いがまとまれば、裁判上の和解によって返済額や分割払いの条件を決めることもできます。

請求額が高額な場合や事実関係が複雑なケースでは、申し立てる前に弁護士へ証拠と見通しを確認してもらうと安心です。

相手の財産を差し押さえる

裁判で勝訴しても、相手が自ら支払わなければ、判決だけでお金が戻ってくるわけではありません。

返済を受けるには、判決や裁判上の和解調書などをもとに、預金や給与といった財産への強制執行を申し立てる方法があります。

差し押さえには、公的に請求権が認められたことを示す債務名義が必要であり、送金明細や請求書だけでは原則として実行できません。

銀行預金を対象にする場合は金融機関などを、給与を対象にする場合は勤務先を特定する必要があります。

相手の財産がわからない時は、一定の条件を満たせば、裁判所の財産開示手続や第三者からの情報取得手続を検討できます。

ただし、財産の情報が判明しても自動的に回収されるわけではなく、対象となる財産へ別途差し押さえを申し立てなければなりません。

相手に十分な預金や収入がなければ、手続きをしても全額を回収できない可能性があるため、費用や見込みを確認してから進めましょう。

詐欺の可能性がある時の相談先

銀行に連絡する

だまされて振り込んだ疑いがある場合は、送金先の金融機関へできるだけ早く連絡してください。

相手が口座からお金を引き出す前であれば、口座の利用停止や被害回復に向けた手続きにつながる可能性があります。

連絡する際は、振込日、金額、振込先の銀行名、支店名、口座番号、口座名義をすぐ伝えられるように準備しましょう。

相手とのメッセージや振込明細も手元に用意し、どのような説明を受けて送金したのかを具体的に伝えます。

振り込め詐欺救済法の対象となる場合は、犯罪に利用された口座に残っている資金から、被害回復分配金を受け取れる可能性があります。

ただし、口座にお金が残っていなければ回復できないこともあるため、警察への相談と並行して迅速に対応することが重要です。

送金サービスに連絡する

送金アプリや決済サービスを利用した場合は、運営事業者の問い合わせ窓口へ被害状況を報告しましょう。

送金の取り消しや返金が必ず認められるわけではありませんが、相手のアカウント確認や利用制限につながる場合があります。

問い合わせ時には、取引番号、送金日時、金額、相手のアカウント名、登録情報がわかる画面を用意してください。

アプリ内の履歴やメッセージは削除せず、スクリーンショットだけでなく、可能であれば取引データも保存します。

相手から返金手続きのためとして、暗証番号や認証コードの入力を求められても教えてはいけません。

連絡先は相手から送られたURLではなく、アプリや事業者の公式サイトに掲載されている窓口を利用しましょう。

警察に相談する

初めからだます目的で送金を求められた疑いがある時は、最寄りの警察署へ相談してください。

緊急の事件や身の危険がある場合は110番、それ以外の相談は警察相談専用電話の「#9110」を利用できます。

相談時には、相手と知り合った経緯、交際期間、送金を求められた理由、振込先、被害額を時系列で説明しましょう。

LINEやメール、マッチングアプリのプロフィール、通話履歴、振込明細なども持参すると、被害状況を伝えやすくなります。

返済されないという事情だけでは民事上の貸し借りと扱われることもあるため、虚偽の説明や身元の偽装など、詐欺を疑う根拠を整理する必要があります。

SNSやマッチングアプリで恋愛感情を抱かせて送金させる手口も確認されているため、不自然な点があれば早めに相談しましょう。

弁護士に相談する

返金請求の方法や詐欺にあたるか判断できない場合は、証拠を持って弁護士へ相談する方法があります。

弁護士は、貸したお金として請求できるのか、詐欺を理由に返金を求められるのかを、やり取りや送金経緯から検討します。

相手への請求書や内容証明郵便の作成、交渉、支払督促、訴訟など、その後の手続きを依頼することも可能です。

相談前には、送金記録、返済の約束、相手の氏名や住所、これまでに請求した内容を時系列でまとめておきましょう。

弁護士費用が回収予定額を上回る場合もあるため、相談料、着手金、成功報酬などを確認したうえで依頼を判断してください。

相談先がわからない場合は、法テラスで利用できる制度や弁護士への相談方法を案内してもらえます。

恋愛関係の送金トラブルを防ぐ方法

追加の送金を断る

一度お金を渡した後に別の理由で支払いを求められても、その場で応じないことが大切です。

「入金すれば返金できる」「手数料を払えば出金できる」と説明されても、さらに被害が広がるおそれがあります。

特に、病気や事故、借金、投資などの理由を次々と挙げ、急いで送るよう求める相手には注意してください。

断る際は、「これ以上は送金できない」と明確に伝え、長いやり取りや説得には応じないようにします。

相手から責められたり、関係を終わらせると迫られたりしても、恋愛感情と金銭の判断を分ける必要があります。

送金を止めたうえで、これまでのメッセージや利用履歴を保存し、家族や専門の相談窓口へ状況を伝えましょう。

相手の本人情報を確認する

高額なお金を渡す前には、相手が伝えている氏名や住所などに不自然な点がないか確認してください。

SNSやマッチングアプリの表示名、プロフィール写真、勤務先の情報だけでは、本人確認として十分とはいえません。

長く交際していても、対面を避ける、住所を教えない、電話番号が頻繁に変わるといった場合は慎重な対応が必要です。

身分証明書の画像を見せられても、他人のものや加工された画像である可能性があるため、それだけで信用しないようにしましょう。

勤務先や家族の事情について説明が何度も変わる場合は、送金を止め、これまでに受け取った情報を整理してください。

不正な方法で個人情報を調べるのではなく、相手が自ら示した情報や適法に確認できる範囲で判断することが重要です。

送金前に第三者へ相談する

相手の説明に少しでも疑問がある時は、自分だけで決めず、信頼できる人に話を聞いてもらってください。

恋愛関係にあると相手を信じたい気持ちが強くなり、矛盾した説明や不自然な要求を見過ごすことがあります。

家族や友人には、知り合った経緯、送金を求められた理由、金額、返済の約束をできるだけ具体的に伝えましょう。

投資や海外送金を勧められた場合は、相手が紹介した人ではなく、金融機関や公的な相談窓口へ確認することが重要です。

送金を急がせたり、相談したことを相手に知られないよう求めたりする行動は、詐欺を疑うきっかけになります。

第三者の意見を聞いてから判断する時間を設けることで、恋愛感情を利用した金銭被害を防ぎやすくなります。

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